日時 | 2020年 1月25日(土曜日) | |
開催場所 | 新宿ロフトプラスワン |
ゲーム『十三機兵防衛圏』(アトラス、ヴァニラウェア) |
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株式会社アトラス様にコメントをお願いしたのですが
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「まずは、様々な先行するSF作品にオマージュを捧げ、とにかく詰め込もうとしたその心意気と作品愛を評価。そしてなにより重要なのは、断片的にプレイヤーが経験していく13人の主人公たちのドラマのひとつひとつに、長編ドラマのひとつの話のように「引き」「どんでん返し」「謎」を散りばめる作劇の見事さ。このような複雑で大変で緻密な話法を実現させることによって、ゲームによって語られる物語の歴史は、一歩先に進んだだろう」。 「オタクの歴史も長くなったもんだなぁ」2019年は、さまざまなジャンルにおいて、そう感じることの多い年でありました。映画・小説・マンガ・アニメ・ゲームetc……どのジャンルにも膨大な過去の名作群がある。積み重なった歴史の重さに、どう向き合うか。そうした問題設定が、これまで以上に強まった印象の年であったな、と。何かエンターテインメント表現を世の中に送り出す際に、(あえてこんな言葉を使ってみますが)オタクとしての教養とセンスと覚悟が問われる時代がやって来た。そうした認識において、2019年、もっともビビッと来たタイトルが『十三機兵防衛圏』でした。私のライターとしての主な仕事ジャンルはアニメであり、ゲームはあくまで趣味として、年に2〜3本もプレイすればマシな方です。ようするにゲームのプロとして評価を下せるような立場にはありません(イベントでの投票時には、まだ本作をクリアすらできいませんでした、ごめんなさい)。しかしながら、同時代を生きるひとりのオタクとして、本作のコンセプト、そして、送り出したクリエイターの熱い想いに共鳴するものがあり、投票させていただいた次第です。 いつまでも密接に密閉して密集したい。すべてを忘れてまっさらな気持ちでゼロからプレイし直したくなるゲーム。記憶を失って、何度も初めてのようにプレイしたい。こういう作品を「傑作」と呼ぶべきだろう。 |
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志田英邦賞
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藤田直哉賞 |
メガドライブミニ(セガ) |
劉慈欣(小説『三体』作者) |
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冷静に考えると、30年前のハードのミニチュアに既発売のソフトを詰め込んだだけの製品。それがメガドライブミニでした。なので、企画当初から私たちは、ゲームを発売するのではなく、「あの時代」の記憶を再現するのだと決めて、プロジェクトを進めました。「メガドライブの時代」というキーワードに固執したプロジェクトメンバーの姿勢は、ある意味企業におけるオタクイズムの象徴であったと思います。 このたびは、私たちにピッタリの賞をいただき、まことにありがとうございます。このように評価されることで、一度火がついてしまった企業内オタクたちが、暴走を始めないかが、ちょっとばかり心配ではありますが。 株式会社セガ 「メガドライブミニ」プロジェクトリーダー 宮崎 |
このたびは劉慈欣『三体』に日本オタク大賞審査員賞をいただき、まことにありがとうございます。藤田さまのコメント、たいへんうれしく、ありがたく拝読いたしました。 早川書房 第二編集部 梅田 麻莉絵
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僕らがかつて愛したゲームは、もう記憶の中にしかない。家庭用ゲーム機、アーケードゲーム機は時間が経つと劣化し、故障し、ガラクタになってしまう。一部のマニアや団体がゲーム保存の動きを見せているが、どうしてもこぼれてしまうものがある。そんな流れに抗うような動きが昨今の「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」「プレイステーション クラシック」「NEOGEO mini」などのプラグインプレイ方式のリメイクゲーム機だ。中でも「メガドライブミニ」は、90年代の空気感までを見事に再現した一作だった。忘れ去られようとしているゲームの記憶を刺激する、すばらしい逸品。 |
「様々なSFやサブカルチャーのエッセンスを引き受けながら、現代中国に適した形で新しくそれを展開した見事な作家である。彼の作品には、日本が失ってしまった古き良きSF精神、オタク精神を感じる。オタク文化が、日本国内のみならず、中国を含む東アジアの共通財産になっていることをはっきりと示した見事な作品群は、人類の未来をも指し示すものになるだろう」
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前田久賞 |
ガイガン山崎賞 |
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アニメ『ぼくらの7日間戦争』 |
ROBOT魂 ジオン軍武器セット(バンダイ) |
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この作品を制作する上での一番のチャレンジは、30年以上前の原作の精神性を受け継ぎつつも、 審査員賞、ありがとうございました。 村野佑太(『ぼくらの7日間戦争』監督) |
この度は日本オタク大賞2019に選出頂き、誠に有難う御座います! BANDAI SPIRITSコレクターズ事業部 相澤歩
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アニメに社会性を持ち込むことの難しさを常々感じています。とりわけ、現代社会を舞台にした作品で、今、そこにある諸問題に触れることの難しさたるや。本作は原作小説の魂を正面から受け止め、そんな難題に果敢に挑んだ快作でした。大胆な時間省略による爽快な導入部、廃坑というシチュエーションを巧みに活かしたアクションパートに見る演出の冴え。ほろ苦くも後味のよいラストの展開。そうした、エンターテインメント作品としての構築も素晴らしい。少しでも多くの人に届くことを願って、微力ではありますが、日本オタク大賞個人賞を贈賞させていただきます。
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ガンダムとともに年齢を重ねて、どんどん頑なになってきた俺たちのハートを掴んで離さないver. A.N.I.M.Eシリーズ。 MSV系もどんどん充実してきて大変けっこうなんですが、特に衝撃的だったのが、このジオン軍武器セットです。ザク・バズーカの連結ジョイントを入れておきながら、バズーカそのものの予備はナシという挑戦的な内容にクラクラしました。このセットを買うような人間だったら、ザクくらい複数買いしていて当然! そういうメーカーとユーザーの信頼関係がね、非常に美しいと思います。これでプレミアムバンダイ限定じゃないってんだから……。 あとはまあ、かのブリティッシュ作戦の再現に尽きますよね。A.N.I.M.Eじゃない! なんて野暮は言いっこなしなのです。(ガイガン山崎) |
奈良崎コロスケ賞 |
東海村原八賞 |
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劇画狼(編集者) |
プラモデル スズキGSX-R750(ハセガワ) |
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この度は、オタク大賞(奈良崎コロスケ賞)をいただき、誠にありがとうございます。 おおかみ書房 劇画狼
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この度は審査員賞(東海村原八賞)に選出いただきありがとうございます。 (株)ハセガワ
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『全身編集者』を読み、色んなことを鮮明に想い出しました。2000年ごろ、縁あって末期「ガロ」で記事ページを担当する機会に恵まれました。捕まったばかりの蛭子さんにインタビューしたり、レビューを書いたり色々やらせてもらって、副編集だった白取さんにもよくしてもらって、僕が編集した別冊宝島『ザ・マンガ家列伝』では、やまだ紫先生のインタビューもお願いしました。図々しく引っ越したばかりの浮間舟渡の新築マンションにお邪魔して、仲良しの2人に楽しい話をたくさん聞いたなぁ。 白取さんはその後「昭和40年会」を結成。僕のほかにパルコ木下さん、辛酸なめ子さん、鶴岡法斎さん、見ル野栄司さん、僕の友人の漫画家・五代英輔なんかが集結して、「みんなで何かやろう。とりあえず同人誌を作ってコミケに出そう!」なんて話で盛り上がったけど、結局、何度か飲み会を開いただけで、そのうちみんな忙しくなってフェイドアウトしてしまいました。いま思えば、あれは残念だった。 僕は当時「ガロ」から少ないながらもギャラをもらっていたし、滞ったとしても青林堂で刊行されるコミックスを献本されていたので、それで十分だと思いました。だから青林堂や編集部に不満を感じたこともないし、直前にあったあの騒動の真実は何も知りません。白取さんや担当さん、先輩のライター・松沢呉一さんから話を聞いてはいましたが、野次馬的な興味で面白がっていただけです。 あれから20年近い月日が流れて、もう白取さんはいないけど、『全身編集者』という一冊の本が残ったことは本当に嬉しい。僕は昭和40年会に参加していなかったら鶴岡さんにも出会っていないし、鶴岡さんに誘われてオタク大賞にも参加していないし、こうやって『全身編集者』と劇画狼さんに個人賞をさしあげることもなかったのです。人生って不思議です。Superflyに言わせれば「私を創る 出会いもサヨナラも」ってやつです。劇画狼さん、どうもありがとう。どこかでお会いしたら、一杯おごらせてください。 (奈良崎コロスケ) |
1980年(機動戦士ガンダムの翌年)のヤマハRZ250をかわきりに吹き荒れたバイクブーム。もちろんプラモデルの世界でも多数のキットが発売されていましたが、当然そのすべてが模型になったわけではありません。そんな”人気はあったけど取りこぼしになっている、伝説のあの名車”をここ数年じわじわとリリースし続けているハセガワ。 (東海村 原八/模型の王国)
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